開発の現場から

「配ったつもり」が、いちばん危なかった。

ラクパスは、医療法人の理事長・院長・事務長・看護部長に設計へ入ってもらい、 実際の医療機関で運用しながら開発している職員ポータルです。 何に困り、何をやめて、どう作り直したのか。実際の画面とあわせてご紹介します。

カード登録は不要です。職員200名までは無料で使えます。

法人の構成
4病院+法人本部
在籍職員数
約500名
職種
医師・看護・介護・リハビリ・事務・委託
設計に入った役職
理事長・院長・事務長・看護部長
未読者の氏名と施設別の既読率が見える管理画面

先に、要点だけ。

導入前の課題

回覧板・掲示板・朝礼・個人LINE。手段は4つあるのに、「届いたか」だけが確認できませんでした。

決め手

チャット・安否確認・ワークフローを別々に契約すると費用がふくらみ、職員にアプリを3つ入れてもらう前提になる。そこで自分たちで作りました。

いま起きていること

本部と一部の部署から順に登録を進めている段階です。分かったのは「システムの出来より、登録の設計で決まる」ということでした。

実際の画面です。

職員はアプリをインストールしません。ブラウザで開くか、ホーム画面に追加するか、LINEから入ります。

誰に届いていないかが見える

誰に届いていないかが見える

まだ読んでいない職員が氏名で分かります。複数施設なら、施設別の既読率も並びます。

災害時、未回答者を個人単位で追える

災害時、未回答者を個人単位で追える

安否確認の回答状況。まだ答えていない職員が誰かが一覧で分かります。訓練モードもあります。

ヒヤリハットはスマホから数十秒

ヒヤリハットはスマホから数十秒

用紙をもらいに行く必要がありません。月次の集計は自動で出ます。

稟議が誰の手元で止まっているか

稟議が誰の手元で止まっているか

紙の稟議書と違い、滞留している案件が見えて自動で督促がかかります。

※画面はデモ環境のものです。数値・氏名はサンプルです。

導入前の課題

「連絡した」と「届いた」が、一致しない。

わたしたちのグループには、4つの病院と法人本部があります。在籍している職員は約500名。 医師、看護師、介護職、リハビリ、事務、そして委託のスタッフまで、働く時間も場所もバラバラです。

その状態で、連絡手段は紙の回覧板、掲示板、朝礼での口頭伝達、そして一部の部署で使われていた個人のLINEグループでした。

いちばんの問題は、「配ったつもり」が積み上がることでした。 回覧板が夜勤者の手元に届くのは数日後になります。掲示板は、忙しい日には誰も立ち止まりません。 「言いましたよね」「聞いていません」というやり取りが、月に何度も起きていました。

稟議も同じでした。紙の稟議書が誰の机で止まっているのか、起案した本人には分かりません。 事務長に聞きに行くしかなく、聞きに行くこと自体が気まずいので、みんな黙って待っていました。

そしてヒヤリハット。用紙をもらいに行って、書いて、提出する。この3ステップが、報告をためらわせていました。「報告が少ない」のは安全だからではなく、出しにくいからだという感覚は、看護部長がずっと持っていたものです。

図① 手段は4つあった。確認できないのは「届いたか」だけだった。

導入前

  • ?紙の回覧板夜勤者の手元に届くのは数日後
  • ?掲示板忙しい日は誰も立ち止まらない
  • ?朝礼での口頭伝達その場にいない人には残らない
  • ?一部部署の個人LINE施設として管理できない

4本とも、対象の職員に届いたかどうかを確認する手段がありませんでした。

いま

  • 1お知らせ配信(プッシュ通知)部署別に出し分け、必要なら全画面バナー
  • 既読が見える誰が読んでいないかが一覧で分かる
  • 残りを追える未読の人にだけ、あらためて声をかける

価値は「率が上がること」ではなく、残りを追えることだと考えています。

「うちの職員、アプリを3つ入れてくれますか」

— 設計の打ち合わせでの、グループ病院 事務長の一言

検討

買おうとして、やめました。

最初は既存のサービスを探しました。チャットツール、安否確認システム、ワークフローシステム。それぞれ良いものがありました。

ただ、3つ組み合わせると1人あたり月800円前後になります。500名なら、年間で約480万円という計算です。 しかもヒヤリハットは別。職員には3つのアプリを入れてもらうことになります。

決定的だったのは、上の事務長のひとことでした。入れてくれません。入れてもらっても、パスワードを忘れます。

「なければ作るしかない」。そこから、理事長・院長・事務長・看護部長に入ってもらって設計を始めました。

図② 1人あたり月額の試算(税別)
約800円
チャット+安否確認+
ワークフローの3カテゴリ併用
350円
ラクパス PRO
(ヒヤリハットも込み)

※ 3カテゴリ併用の金額は、各サービス公式サイトの公開料金(2026年8月時点)に基づく試算です。 契約人数・オプション・契約形態により変動します。特定の企業を比較対象として名指しするものではありません。 ラクパスの有料プランは最低20名分からのお申し込みで、以降は1人単位です。

つくる

機能の議論より、登録の議論のほうが長かった。

作ってみて分かったのは、「どんな機能を載せるか」より「どうやって職員に登録してもらうか」のほうが、 はるかに長く議論になったということです。以下は、そのなかで決まった仕様と、決めた理由です。

📱

アプリのインストールをやめた

ブラウザで開けて、ホーム画面に追加すれば使える形(PWA)にしました。LINEからも入れます。「3つ目のアプリ」は入れてもらえない、という前提から設計しています。

🖨️

A4用紙1枚で4人分配れる「登録スリップ」

給与明細に挟んで配れます。登録の入口を、事務が普段やっている作業の中に置きました。

🖼️

マニュアルを画像中心にした

最初に作った文字だけの手順書は、ほとんど読まれませんでした。作り直しています。

🆘

安否確認は全画面回答にした

回答するまで他の画面に進めません。「あとで」を許すと回答は返ってこない、というのが設計に入った院長・看護部長の一致した意見でした。

⚠️

ヒヤリハットを17種別に広げた

患者さんの事例だけでなく、職員のけが、設備、停電、情報、ハラスメントまで。「これは書く欄がないから報告しなくていいか」をなくすためです。本文は提出後に書き換えられません。

🖋️

稟議に「質問コメント」を付けた

承認を止めずに質問できます。これがないと、確認したいだけの人が稟議を止めてしまいます。

機能そのものの説明は機能一覧にまとめています。

「報告が少ないのは、安全だからではありません。出しにくいからです」

— ヒヤリハットの様式を決めるときの、看護部長の言葉

現在

いま、どこまで進んでいるか。

現在は、本部と一部の部署から順に登録を進めている段階です。 グループの全職員が使っている状態ではありません。

そのうえで分かったことがあります。システムの出来より、登録の設計で決まるということです。 「使ってください」と言うだけでは登録は進みません。誰が声をかけるか、いつ配るか、最初に何を流すか。 ここを決めた部署から動き始めました。

ですので、これから導入を検討される施設には、機能の説明より先に 「最初の1本を、誰の名前で、いつ流しますか」をご相談することにしています。

計測

数字が出たら、良い数字も悪い数字も、そのまま公開します。

いま計測を始めているのは、次の3つです。導入前の値を紙の記録から拾い直しているところで、 比較できる形になった時点でこのページに追記します。母数の小さいうちは率(%)ではなく実数で出します。

  1. 1

    お知らせを出してから既読が付くまでの時間

    配信時刻でまったく変わるため、平日10時配信に条件をそろえて記録しています。代表値は平均ではなく中央値と、24時間以内に開封した人数(実数)で見ます。

  2. 2

    稟議を出してから決裁されるまでの日数

    金額帯とルート段数で変わるので、10万円未満の物品購入に絞って比較しています。あわせて「どの承認者で止まっているか」を見ています。

  3. 3

    ヒヤリハットの月あたり報告件数

    件数が増えることを良い変化として見ます。とくに紙の様式では書く欄がなかった種別(職員のけが・設備・情報)が出てくるかどうかを見ています。

貴院で試される場合:導入前の値は、いましか取れません

導入後の数字はシステムが貯めてくれますが、取り返しがつかないのは導入前の値です。 所要1〜2時間で取れる5項目を挙げておきます。無料体験を始める前に、この表だけでも埋めておくことをおすすめします。 「実施していない」「記録が残っていない」も、立派なベースラインです。

測る対象取り方出どころ
周知の到達時間直近3件の回覧文書の「起案日」と「最後の押印日」を拾う回覧板の押印欄
周知の到達人数直近1件の重要通知について、対象者数と押印済み人数を数える回覧板の押印欄
稟議のリードタイム直近20件の紙の稟議書から起案日と最終決裁日を拾い、中央値を出す稟議書つづり
ヒヤリハット件数直近12か月の月別提出件数医療安全管理室の集計
安否確認の実施状況直近の電話連絡網訓練の記録。無ければ「実施していない」と記録する防災訓練記録

自院に置き換える

規模が違えば、始め方も変わります。

以下は実績の紹介ではなく、規模ごとに想定される使い方と、最初の1か月にやることの目安です。 近い規模のところをご覧ください。

クリニック・訪問看護

職員 10〜50名

プランの目安:FREEから。安否確認・ヒヤリハットを使うならBASIC(最低20名分〜)

  • 全職員をFREEの登録枠(200名まで)に入れ、まず院長からのお知らせを1本流す
  • 個人LINEでの業務連絡をやめ、退職時にアクセスが消える状態にする
  • 常勤・非常勤・訪問中の職員に、同じ知らせが同じタイミングで届く形にする

単独の病院

職員 100〜300名

プランの目安:BASIC/PRO。医療安全と防災の記録まで残すならPRO

  • 部署別の出し分けで、看護部だけ・委託を含む全体、を配信時に切り替える
  • ヒヤリハットを17種別で受け、月次の自動集計を医療安全委員会の資料に使う
  • 安否確認の訓練モードを、日中に1回・夜間帯に1回。BCPの訓練実施記録として残す

複数施設の医療法人

本部+2施設以上

プランの目安:ENTERPRISE(本部横断・複数施設一括・請求書払い・導入伴走)

  • 本部から全施設へ一斉配信し、施設ごとの既読の付き方を比べる
  • 稟議のルートを施設別に持ちつつ、本部の最終決裁で止まっている件数を把握する
  • 意見箱の宛先を本部に指名でき、施設内では言いにくい話が上がる経路をつくる

介護施設・老健

職員 30〜150名

プランの目安:BASIC/PRO

  • 夜勤・早番・遅番で顔を合わせない職員に、同じ連絡を確実に残す
  • 事故・ヒヤリハットの報告を、患者以外(職員のけが・設備・停電)まで広げて拾う
  • BCPで義務づけられた訓練を、安否確認の訓練モードで年2回まわす

プランごとの機能差と金額は料金プランをご覧ください。有料プランは最低20名分から、以降は1人単位。最低契約期間はなく、いつでも解約できます。

今後

次は、夜間・休日に本当に動くのかを確かめます。

次に取り組むのは、残りの病院への展開と、安否確認の訓練モードを使った実地訓練です。 BCPに書いてある連絡網が、夜間・休日に本当に動くのかを確かめます。日中に1回、夜間帯に1回。

そして、そこで取った数字は、良い数字も悪い数字もそのまま公開していきます。自分たちで使っていないものを、他の病院にお勧めすることはできないと考えているからです。

このページは、状況が変わるたびに書き換えます。 他院での導入事例も、掲載のご許可をいただけたものから、条件と母数を明記して追加していきます。

事例を読むより、5分触っていただくほうが早いかもしれません。

架空の医療法人(3施設+本部)を設定したデモ環境をご用意しています。 画面共有ではなく、ご自身の手元のスマートフォンで触っていただく形です。デモをご希望の方は、お問い合わせください。ご案内先をお送りします。資料をご覧になりたい場合は、PDFをメールでお送りします。

安否確認の全画面回答

回答するまで他の画面に進めない状態を、実際に体験できます

ヒヤリハットのスマホ入力

その場で1件、出してみてください。所要時間を計ってみるのが分かりやすいです

未読者一覧からのタップ発信

誰が読んでいないかを見て、そのまま連絡するところまで

お問い合わせ:株式会社Central Medience TEL 03-5544-9120(平日)/ 資料のご請求はこちらのフォームから。ご記入いただいたメールアドレスにPDFをお送りします。

開発・運営

会社名株式会社Central Medience
所在地東京都港区港南2-12-32 SOUTH PORT品川8階
電話03-5544-9120
代表者代表取締役 中川 隆太郎
事業医療機関向けSaaSの開発・運営/有料職業紹介(13-ユ-316075)/労働者派遣(派13-317035)
開発の体制実際の医療機関(4病院+法人本部)の運用の中で、理事長・院長・事務長・看護部長と共同で設計

セキュリティの考え方(運営会社からも本文を閲覧できない設計・法人間の完全分離・監査ログ)は安心の設計にまとめています。

このページの内容は 時点の状況です。進捗にあわせて更新します。

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